メンバーやその家族の幸せを実現する仕事/ミズタニバルブ工業株式会社代表取締役社長 水谷真也さん

経営の軸は「人を大切にする」こと


山県市美山地区にあるミズタニバルブ工業株式会社。その敷地に入ると、気持ちの良い挨拶が飛び交います。若者が多く働いており、現在59名の社員のうち半数が20代。1959年に創業し、現在4代目の水谷真也さんが代表を務めています。



6年前に代表に就任してから、大事にしていることは「人を大切にする経営」です。その原点は、創業者である祖父がいつも「人は大事にせな、あかんぞ。家族やからな」と言っていたこと。そして、30代で「物心両面の幸福」という言葉に出会い、心の幸福に目を向け「人を大切にする」という考えを経営の軸に据えました。

ミズタニバルブでは、正社員もパートも取締役もすべて「メンバー」と呼んでいます。水谷さんの仕事はみんなが輝ける場を整えて、メンバーとその家族の幸せを実現すること。そうすれば、みんなが安心して働くことができ、メンバー全員でお客様の幸せを実現していける。と考えているからです。



経営計画書を刷新し、社内改革に取り組む


代表に就いてから6年間で大きく変わったことの1つが、経営計画書。毎年作成していましたが、ある年に提出先の金融機関から「これは経営計画書とは言えないよ」と指摘を受けます。それがきっかけとなり、経営計画書を作成する合宿に水谷さんは参加することを決めました。最初は手帳サイズで30ページ中、半分がメモ欄だった経営計画書も、今ではA4サイズで190ページのサイズになりました。



経営計画書には、会社の将来のことやお客様への対応についてなど、ミズタニバルブの方針を明確にし、リアルな売上実績なども記載できるようにしたことで、メンバーの行動全ての元になっています。そして、「人を大切にする」経営を軸に具体的な手引きとなる経営計画書を通してメンバーにその考えを浸透させていったことで、長年働いているメンバーからは「会社が変わってきたね」と言われるようになりました。

さらに、社内の制度も変えていきました。1つの例は、福利厚生。きっかけとなったのは、メンバーの1人が、家族の看病などの理由で有給休暇を使いきったこと。当時会社には有給休暇しか制度が無かったため、このまま休み続けると無給の欠勤扱いとなってしまう。水谷さんは「一番お金がいるときに、収入が減ることはあっちゃいかん!なんとかしないと」と総務と話し、一部上場企業が導入している傷病休暇の導入を決めました。他にもメンバーのためと、奨学金返済支援制度なども導入しています。



さらに仕事内容の面でも、メンバーのことを考慮しているのが、毎朝30分間の改善の時間。本来、改善というのは一定のスキルを必要とするため、改善を専門とするメンバーだけが対応していました。水谷さんは「いまの若手は1つのことだけを続けていると不安になるようで、物が作れて、品質がわかり、改善できるスキルがあればやりがいを持って働いてくれる」と話します。


お客様のニーズに向けた商品開発


数年前からミズタニバルブオリジナル商品の開発に力を入れ始めます。「何を作りたいか」ということも明確になっていなかった時点からスタートして、話し合いを重ね、製品化まで2年という月日を費やして完成したのが『AWAMIST』です。AWAMISTは、玄関などに置くことができ、泡ミストの力で手の汚れがキレイになる自動水栓手洗器のこと。洗面スペースではないところに設置することを想定しているため、水が飛び散らないことを第一に、器や水の出し方などの試行錯誤を重ねました。そして、デザインにもこだわり、国内・国外あわせて5つのデザイン賞の受賞につながりました。



お客様のニーズ、市場に着目した商品開発を行ったことで、社内の考え方にも変化が生まれ、外部の専門家の伴走支援を受けながら、マーケティング室を新設。さらに、デジタル推進室の立ち上げにも取り組んでいます。ミズタニバルブは市場開拓を伴う新商品を目指し、今後さらにお客様の不安や不満を解消するような商品開発に取り組みます。

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