こっくりことこと、大豆の醤油煮

豆は音の調理



おばあちゃんの味

休日の前夜に豆をたっぷりの水につけて一晩寝かせ、翌朝に火にかける。家事をしながらも台所の豆を頭の隅においておき「水の量はどうかな」「ことことしてるかな」と時々様子を見てあげる。そんな休日の午前を過ごすのもよいものです。

ことことこと…
豆を火にかけるときのことば。木を優しく叩くようにも聞こえるのは、木の鍋ぶたが鍋の縁にあたっている様子を表しているようです。今では圧力鍋で一気に柔らかくすることもできますが、時間をかけてゆっくりと柔らかく煮るお豆には、小さな一粒にあるエネルギーが引き出されるような気がします。栄養面からも水煮されたものより乾燥大豆を自分で戻してから煮た方が、得られる栄養素が多いそうです。
お醤油とお砂糖で仕上げたお豆は箸休めやお弁当の片隅にある控えめな存在ですが、昔から続くこの味は、なんだか故郷に帰ったようで、ほっとします。

大豆の醤油煮作り方



煮豆

煮豆の材料

大豆:200g
昆布:5センチ角を4枚程
砂糖:70g〜80g
醤油:大さじ2

煮豆の作り方

①、大豆を洗う。鍋に大豆の重量の4〜5倍の水を入れて一晩(6〜8時間)浸水させる。
②、大豆が水分を含んで膨らむ。その鍋に昆布を入れて中火にかける。

煮豆の作り方

③、沸騰後、あく(白い泡)が出てくるので取り除く。弱火にし、豆が小さく揺れるくらいの温度と、大豆の上に水が2センチくらいある状態を保つ。
弱火過ぎると温度が下がってくるので火加減には気を配る。水が少なくなってきたら差し水をする。
④、大豆に均等に熱が入るように、また底に大豆がくっつかないために、ときどき(差し水をするタイミングでもよい)箸で鍋の中をかきまぜる。
⑤、1時間半頃から煮えてくるので、一粒を取り、親指と人差し指で大豆をはさみ、柔らかさを確認する。ふにゃっと潰れるくらいまで煮る。
※この後、調味料を入れると大豆が締まり、煮ても柔らかくならないので柔らかめに煮る。
⑥、柔らかくなったら煮汁をひたひたまで調整する。砂糖を加え、落としぶたをし10分程煮る。
さらに醤油を加えて15分煮る。味をみてよければ火を止める。そのまま味をしみ込ませる。
※昆布は一緒に炊き込むと味がよくなります。また溶けてとろみがつきます。今回、砂糖はてん菜糖を70g使いました。てん菜糖は白砂糖より甘みが控えめです。

郷土の味



大豆は昔から貴重なたんぱく源でした。ですから各地で大豆を使った風土にあった料理がさまざまにあり、今に受け継がれています。この大豆の醤油煮もそのひとつ。食べると懐かしい気持ちになったり、時々無性に食べたくなったり…作るのに時間はかかるけれど、素朴ながらも心のこもった贅沢さがあるようです。前日に水でなく、水に砂糖と醤油とを溶かした煮汁を作りそこに豆を一晩浸しそのまま火にかける方法もあります。このような、ちょっとした違いが郷土の味であり人それぞれの故郷の味。あなたの故郷の味を見つけてみてはいかがですか。
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