女子大生が取り組む!月に1度の1Dayレストラン

山県市・北山のおばあちゃん達が運営するレストラン「おんせぇよぉ~」が月に1度だけ若返る日があります。そうそれこそが、タイトルの“1Dayレストラン”。なんだか、シンデレラみたいと思ったのは私だけでしょうか?

このレストランは変幻自在!

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北山農家レストラン「舟伏の里へ おんせぇよぉ~」は、山県市の舟伏山の麓にある北山地区に気軽にいらっしゃいという意味の地域のレストランとして、度々山県ベースにも登場しています。このレストランは、普段は70歳くらいのおばあさん達が畑の野菜で地域の料理をつくるレストランですが、月に1度だけ若返る日があります。

他にも、農家レストランは、味噌づくりなどたくさんのイベントも開催しており、地域において変幻自在の集いの場ですが、今日はこの1Dayレストランの取り組みに密着します。

大学と地域がつながる新しいかたち

1Dayレストランとは、岐阜女子大学の学生たちが、筋肉や骨などの運動器の異常により、立つ、歩くといった機能の低下を防ぐ「ロコモティブシンドローム予防」をテーマに食事を提供するレストランです。毎月栄養素を変え、食事と学びを提供し、健康づくりについて少しでも考えてもらうきっかけをつくっている取り組みです。

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ちょうど訪れた日は「ビタミンDで丈夫な体をつくろう!」をテーマに、学生たちが準備を進めていました。

藤田昌子さん

この取り組みを仕掛けたのは、岐阜女子大学の家政学部・健康栄養学科の藤田昌子教授。もともとは、「まちのおばあさんたちがはじめてレストランを運営するから指導していただけないか?」という相談が、大学とレストランの出会いでした。1年間、メニューや衛生面などの運営のお手伝いを終えた後、お手伝いではなく一連の運営を大学生だけで行って、より深い学びをという藤田さんの想いから「1Dayレストラン」の取り組みがスタートしました。

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藤田さんによれば、過疎化が進む地域に、大学生が一緒になって問題を解決する大学のカリキュラムが多くなってきているとのこと。何よりも、このようなカリキュラムは大学生の成長のために素晴らしいと思いました。

互いが互いを尊重し、まちの成長へ

ただし、このような取り組みは学生のやる気と受け入れ先があってこそ。藤田さんは、
「学生に毎年やりたいことを聞いて、取り組みを進めるようにしています。学生にとっては大きな学びになりますが、やる気がないと迷惑が地域にかかるだけなので、自主性を尊重しています。」
と話します。

また、
「コミュニケーション能力と課題解決能力は、現代において求められていますが、普段の大学の勉強では学べません。学生の地元にも地域課題が山積していると思うので、ここでの学びを活かしながら、地域と共存しつつ仕事をしていってほしいという想いを持って、この取り組みを実践しています。」
とも教えてくださいました。

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実は、山県市は藤田さんの故郷でもあり、藤田さん自身も大事にしたい場所。山県市の魅力は、地域の交流があって、昔ながらの田舎を感じる温かい場所だそう。素晴らしいこの場所をどうにかしたいという想いと学生に見て欲しいという熱い想いもあり、この活動にもつながったのでしょう。

高齢者が地域のためを想い、地域に頑張ってつくった居場所「レストラン」。そこで、大学生が地域の高齢者を想い、食事とメッセージを添える。

多世代が協力しながら、地域課題に取り組むことは、できそうでなかなかできないこと。この学びは必ず大学生の将来の糧になるはず。この場所以外にも、山県市含め隣接する市と包括協定を結び、市と協力して大学生が高血圧対策の減塩料理講座などを開催しているとのこと。今後も大学生と地域のコラボレーションから目が離せません。
皆さんも自分の故郷のためにできることを考えてみませんか?是非故郷のための第1歩を学びに、山県市を訪れてみてはいかがでしょうか?

岐阜女子大学

山県・北山の旧北山小学校へ!