
せっかちな春
僕はせっかちだ。
自動販売機でジュースを買うときは、ボタンを連打する。
2本出てくるわけもないのに。
せっかちの春は忙しい。
仕事の締切と、次の1 年に向けて早く動かないと、という焦燥感にかられる。
せっかちはせかせか動く分、いろんな経験が詰めると信じているが
実は軋轢もどんどん生まれる。
そしてたまに、のんびりの人に抜かれる。
そんなこんなしているうちに、時間はあっという間に過ぎていく。
子どもの頃は、時間が流れるのがゆっくりだったと、多くの人が口にする。
その感覚の正体は、正確にはわからないけれど
諸説ある中で、吸収することが多い時間は濃密だから、
相対的に時間が長く流れているように感じる、
という説が僕の中でいちばんしっくりきている。
いま、CM で「はじめてのことがあるのは羨ましい」
といった台詞を聞くけれど、そうかもしれない。
生まれてはじめてのことが減って、心を揺さぶられないのは、少し退屈なのかも。
夕焼け空の太陽はみるみる沈んでいき、時間にすると数分で水平線に消えていく。
夕日はこんなに早く沈むのか。昔はもっとゆっくりだったはずだ。
自分の時間が早くなった今だから、
時間がゆっくり流れている人たちを大切に見守りたいと思った。
先週、2 歳の息子が遠足だったそうだ
行先は「菜の花畑」
なんとも素敵である。