
麒麟がくるロス
人生において何を優先するかは、その人の人となりをあらわしていると思う。
キャリア、子育て、趣味、友だち‥。もちろん答えは十人十色だ。
大河ドラマ「麒麟がくる」が、終わった。
毎週ワクワクして家族と見た太平記以来、ずいぶんと久しぶりに見た大河ドラマだった。
ネットで大勢の同志が嘆いているように、僕も、麒麟がくるロス真っ只中である。
今更、シナリオがとか、展開がとか、BLじゃないかとか、そういう事は置いておいて、今回はドラマを見ながら、その時代を生きた人のことをたくさん考えた。
明智光秀が本能寺で信長を討った後、その光秀が秀吉に討たれ、その後豊臣家を徳川家康が滅ぼし、江戸時代へ。時代が、どんどん動いていく。もちろんここで名前が出る、主役級の方々はそれでよい。彼らにとって、優先順位は家の存続・繁栄だから。歴史に名前も刻まれている。考えるのは、戦をするにあたって当然、その配下にたくさんいたであろう、名もなき兵士たちのことである。
彼らの優先順位とはなんだったんだろうと思う。
殿様が戦に出るぞ、と言えば戦に駆り出される。生きて帰れる保証はなく、その場合は二度と故郷の土を踏めない。それでも容赦なく、交通が発達していない時代、何百キロも離れた場所に徒歩で戦いに行くわけである。しかも、大半は徒歩で。
幼い子どもがいる者もいた。大切な人が病気の者もいた。旅立つ者も、残される者も、いろんな覚悟が求められた時代、彼らにとって人生の優先順位は、いやもっと言うと、人生とは、どんなものだったんだろう。
快適な新幹線で彼らが通ったであろう場所を移動しながら、窓の外を眺めてそんなことを思う2021年。
麒麟がくる、楽しかったです。