
夜空の向こう
撮った写真を見返したときに、思いもよらない仕上がりになる時があります。この写真もそんな1枚。何気なく撮影した、水に浮かんでいた落ち葉が、不思議な雰囲気を出していました。
都会を離れると、漆黒の夜の闇に、たくさんの星が輝くのが見える
夜も街が眩しい現代では
日が落ちてからの暗さや月の明るさなど
昔から人々にとってなじみのある感覚を体感する機会が
少なくなってきた気がする
そう、ところで
夜空はなぜ暗いのだろうか?
太陽が沈んだから?
話はそう簡単ではない
宇宙には、私たちの数の概念を超えるほどの
とんでもなくたくさんの星があって、
理論上は、全ての星の光を合わせると
太陽ひとつの明るさよりもずっとずっと明るくなる
つまり、夜空は
数十億光年前からいま届いたばかりの
無数の星の光でまばゆく埋め尽くされて
昼間よりももっと明るいはずなのだ
太陽が昇れば空が明るくなり、沈めば空が暗くなる
夜「明け」と日「暮れ」
当たり前のように私たちが慣れ親しんだこの常識は
今この瞬間も、宇宙がものすごいスピードで膨張していて
その膨張に巻き込まれた星の光がいつまでたっても地球に届かず
夜空が暗いという物理の話になる
宇宙が光よりも早く膨らんでいく
どの方向へ?
いつまで?
* * *

夜空の秘密然り、
現実が自分の持つイメージを軽く超えていくことは
普段の生活でもよくみられる
例えば、いつも見ている場所や風景が
写真になって切り取られたときに
思いもよらない雰囲気をまとうような
今までは見えていなかった「何か」が映っていることに気づいたり
そして、それは決して特別な場面ではなく
ごく平凡な瞬間を写した写真の中に存在したりする
ドラマは、実は日常に隠れていて
あなたがふと視点を変えた時、すっと姿を現すのだ
夜空のむこうの、その先へ
新しい「何か」を見つけるために、今の自分を続けていこう