
3年目。まだまだひよっこ
山県市は栗の産地。栗を育て続けたおっちゃんに、栗のことを聞くつもりが、人生のなんたるかを教えてもらいました。まだまだ若手。これからも精進しようと決意を新たにした秋晴れの山県でした。
三年目の秋が来た
だいたいのことがわかってきて
だいたいの人とうまくやれている
ものごとを「だいたい」でこなすことを
覚えてしまったのかもしれない
三年目の..
三という数字ははるか昔から
わたしたちのそばにそっと寄り添っている

三人寄れば文殊の知恵だし
石の上にも三年
仏の顔も三度まで
ご飯も1日三食だ
今日乗ったバス停も三番のりば
三を区切りにする人は、多い
トンネルを抜けると
まぶしいくらいの秋晴れの空に包まれる
窓から心地よい風が吹き込んで
バスが栗畑のそばを通った
誇らしげに緑の実をたくさんつけた栗の木が
こちらを横目で見ている

「桃栗三年柿八年」
桃と栗は三年、柿は八年で一人前
でも、三年目の栗は
まだひょろひょろだ
折れそうな細い枝に数えるほどの実をつけて
周りと比べたらまだまだ小さいのに
いっちょまえの気分で、ベテランと一緒に並んでいる
栗を作るおっちゃんに教えてもらった
栗を大きく育てるためには
三年目のはじめての実は取ってしまうらしい
そのままにしておくと、枝がもたないそうだ

満を持して、四年目を待つ
人生も、そんな感じなのかもしれない
三年目に甘えてしまわないように
いまここで、踏ん張るのが大事なのかな
もっとたくさんのいい実をつけるために
気のせいか、風に吹かれて
栗の木が頷いているように見えた
